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相続の法律知識

相続の法律知識

相続人(民法886から895条)

遺言がない場合、民法で定められた法定相続人が相続します(法定相続)。

法定相続の順位

配偶者は常に相続人になります。
配偶者のほかに、下記の1〜3の順で相続人になります。
 1被相続人の子(またはその代襲相続人)
 2子がいないときは、親や祖父母などの直系尊属
 3子も直系尊属もいないときは、兄弟姉妹(またはその代襲相続人)

代襲相続

代襲相続とは、被相続人の死亡以前に相続人となるべき子・兄弟姉妹が死亡等したときに、その者の直系卑属がその者に代わって相続分を相続する制度です。

相続の効力

相続が開始すると、被相続人の財産に属した一切の権利義務が相続人に承継されます(民法896条)。預金(債権)や不動産、動産のようなプラスの財産だけではなく、借金(債務)のようなマイナスの財産も相続人に承継されます。

相続分

遺言がない場合、民法の定めによって相続分は決まります。これを法定相続分といいます(民法900条)。 法定相続分は以下の通りです。
複数の同順位の相続人がいるときは、原則として、頭数で均分します(民法900条4号)。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1です。

  1. 相続人が配偶者と子の場合                配偶者2分の1 子2分の1
  2. 相続人が配偶者と直系尊属の場合           配偶者3分の2 直系尊属3分の1
  3. 相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合           配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1
  4. 相続人が配偶者のみの場合                配偶者がすべてを相続
  5. 被相続人に配偶者がなく子がいる場合        子がすべてを相続 
  6. 被相続人に配偶者も子もなく直系尊属がいる場合 直系尊属がすべてを相続
  7. 相続人が兄弟姉妹のみの場合             兄弟姉妹がすべてを相続

特別受益

共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として生前贈与を受けた者がいる場合には、その特別受益分も相続財産とみなして加算して計算します。特別受益者の相続分は、加算された相続財産にその者の相続分を乗じ、そこから遺贈又は贈与の価額を控除した残額になります。(民法903条、904条)。
婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他方配偶者に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、その被相続人は、その遺贈又は贈与について特別受益の規定(民法903条1項)を適用しない旨の意思を表示したものと推定します(持戻し免除の意思表示の推定規定。民法903条4項)。つまり、配偶者に対する居住用不動産の遺贈または生前贈与については、特別受益の規定は原則適用されません。

寄与分

共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持・増加について特別の寄与をした者があるときは、遺産額から寄与分を控除した額を相続財産とみなして各自の相続分を乗じて計算し、寄与した者については、これに寄与分を加えた額とします(民法904条の2)。

特別の寄与

被相続人の親族(相続人、相続放棄をした者、相続欠格に該当する者、廃除により相続権を失なった者を除く)が、被相続人に対して無償で療養看護その他の労務を提供したことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をしたときは、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払を請求することができます(民法1050条)。
これにより、被相続人の療養看護をして寄与した相続人の配偶者は、自身の権利として、特別寄与料の支払いの請求ができます。事実婚の配偶者には認められません。

相続の放棄・限定承認

相続人は、相続を強制されるわけではなく、相続を放棄することもできます(民法938条から940条)。また、相続するにしても、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産(債務)を承継することもできます(限定承認 民法920条から937条)。
相続放棄や限定承認をするためには、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内(熟慮期間)に家庭裁判所で手続をしなければなりません(民法915条)。
ただし、判例は緩やかに解しており(最判昭和59年4月27日)、債権者からの文書によって初めて債務の存在を知った場合などには文書の受領時から3か月とされています。

遺言

自分の財産の死後の処分方法について、自分で決めておくのが遺言です。法的に有効な遺言とするためには、一定の要件が必要です。

遺言の方式
普通方式として、下記のような方式があります(民法968条〜984条)。

1 自筆証書遺言
遺言者が、遺言書の全文、日付および氏名を自書し、これに押印します(民法968条1項)。ただし、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については自書ではなくワープロなどの印刷字でもかまいません。この場合、遺言者は、その目録の頁ごとに署名し押印します。
手続が簡単で、費用がかかりませんが、相続開始後に家庭裁判所で検認という手続を経ることが必要です。

 遺言書の保管制度
遺言者は、遺言書保管所において自筆証書遺言の保管をすることを申請することができます(法務局における遺言書の保管等に関する法律)。自筆証書遺言のメリットを生かしつつ、遺言の滅失等の自筆証書遺言のリスクを軽減しようとする制度です。遺言書保管所で保管されている遺言書は、家庭裁判所における検認手続きが不用です。保管は、法務局の遺言書保管官が行います。この遺言書は、法務省令で定める様式に従って作成した無封のものでなければならないなど決まりごとがあります。

2 公正証書遺言
公正証書で作成する遺言です。2人以上の証人の立ち会いを得て、遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授し、公証人がこれを筆記して遺言者と証人に読み聞かせ、遺言者と証人が筆記の正確なことを承認した後、各自が署名押印し、公証人が方式に従って作成された旨を付記して署名押印することによって成立する遺言です(民法969条)。
遺言の滅失、偽造を防ぎたいとき、相続人間で遺言の有効無効に関する紛争が発生するのを防ぎたいときには、公正証書遺言が適切です。内容についても、作成時に公証人のチェックを受けることができます。検認の手続が不要です。若干の費用が発生します。

このほか、秘密証書遺言、成年被後見人の遺言、危急時遺言等の遺言の方式があります。

遺産分割

相続人が複数いる場合、共同相続人間で協議をして遺産分割をします。協議が調わないときは家庭裁判所に分割を請求し、調停または審判で分割をします(民法906条〜914条)。
遺言による分割の指定がある場合には、それに従います(民法908条)。
遺言者は遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができます(民法1006条1項)。

配偶者居住権

被相続人の配偶者は、被相続人の遺産である建物に相続開始の時(被相続人の死亡時)に居住していた場合で、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得します。ただし、被相続人が相続開始時にその建物を配偶者以外の者と共有していた場合を除きます(民法1028条)。
 一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
 二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
婚姻期間が20年以上の夫婦における配偶者居住権の遺贈については、特別受益の持戻し免除の意思表示の推定規定が適用されます(民法1028条3項)。

遺留分

被相続人は、自らの財産を自由に処分する権利がありますが、兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、被相続人の遺産について、下記の通りの割合が留保されています(民法1028条1項)。
 @直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
 Aその他の場合 被相続人の財産の2分の1
相続人が複数ある場合は、前記@またはAに各自の相続分(民法900条及び901条による割合)を乗じた割合になります(民法1042条2項)

遺留分侵害額の請求

遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含みます)又は受贈者に対し、遺留分侵害額(その計算方法は民法1046条2項に記載)に相当する金銭の支払を請求することができます(民法1046条1項)。
遺留分侵害請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。相続開始の時から10年を経過したときも同様です(民法1048条)。